財産分与とは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
03 財産分与とは

財産分与とは、夫婦の協力で,それまでの生活において形成した財産を清算・分配する事です。
民法上、夫婦が別々に財産が所有することを前提となっている(夫婦別産制といいます)ので、婚姻中に自分の名で得た財産は、単独で有するとされています。離婚時は、離婚後の夫婦間の経済的格差を調整するというのが財産分与の趣旨です。
そのため、財産分与は、離婚の原因が相手にないと請求出来ない慰謝料と違って,自分に離婚の原因があった場合にも請求することができます。ただし,財産分与を請求する側の当事者が、結婚中の生活のなかで資産の形成に協力していた必要があります。

私は専業主婦です。財産分与はどのように決まるのですか?

家庭裁判所では、夫婦が協力して得た財産の額やその他一切の事情を考慮し、分与させるかどうかや分与の金額、分与の方法を決めていきます。昔は、「専業主婦の取り分は3割」という考え方をする裁判所もありましたが、夫が財産を作ることができたのは、妻の内助の功があったからで、専業主婦も貢献していることを認め、半分の割合を認める例もあります。
財産分与の対象になる財産は、不動産、株式、預貯金など、現存するものを分けるのが一般的ですが、近い将来確実に入ってくるもの、例えばあと5年ほどで退職金が入るなどといった場合はそれを含めることもあります。また、夫婦の親の遺産は、固有の財産(相続した人だけの財産)として、財産分与の対象から外されます。
財産分与の方法は、現存する財産や近い将来確実に入る財産を分ける、清算的財産分与という方法の他に、夫婦の一方が離婚後も一定の経済的援助が必要な場合に、例えば月10万円ずつ支払いをするなど、扶養的財産分与という方法もあります。

財産分与について夫婦で話し合いましたが、折り合いがつきませんでした。どうすればいいのでしょうか。

家庭裁判所に財産分与の調停を申し立てましょう。「調停」は、二人の話し合いを仲介して紛争を解決する手続で、調停委員の立会のもと、裁判所で話し合いをする手続です。調停委員とは、民事・家事の紛争解決に役立つ専門知識や社会生活において豊富な知識を有する人で、かつ人格・見識が高く、人生経験も豊富な40歳以上70歳未満で、最高裁判所に任命された人です。調停委員は、夫婦双方から事情を聞きながら、夫婦がお互いに合意し、問題解決できるように仲裁してくれます。

夫には借金があって,それも半分に分けるべきだと主張していますが,どうなんでしょうか。

これは、借金の内容によります。住宅ローンは,夫婦が合意のうえした借金ですし,その借金で夫婦の生活の本拠を購入したのですから,名義上は夫の名義のローンであっても,妻もその負担を求められます。「家の半分は私のもの,ローンは全部あなたのもの」とは言えません。教育ローンも同じに考えられます。
しかし,片方が内緒で作った借金は,原則財産分与の対象とならないでしょう。ただ、夫が家にお金を入れず,そのためにやむを得ずした借金については、夫も負担すべきでしょう。それでも、借金の使途も,食費に使ったり,遊びに使ったり,と特定できないものは,他の配偶者に負担を求めることはできないでしょう。

すぐにも離婚したくて,財産分与について話し合いをしないまま,離婚してしまいました。今からでも相手に財産分与を請求できますか。

離婚後2年までなら請求できます。

夫が財産分与として,300万円を毎月10万円ずつ分割払いすることを約束して調停が成立したのですが,夫が最初の3ヶ月払ってきただけで,その後全く払ってきません。どうすればよいでしょう。

家庭裁判所で決めた調停や審判などの取決めを守らない人に対して,それを守らせるための履行勧告という制度があります。まずは、この履行勧告の制度を利用してみてはいかがでしょうか。
家庭裁判所に対して履行勧告の申出をすると,家庭裁判所の方で,相手方に取決めを守るように説得したり,勧告したりします。履行勧告の手続に費用はかかりません。
しかし、義務者が勧告に応じない場合は支払を強制することはできませんので、相手がどうしても支払いに応じない場合は,その調書をもとに強制執行(例えば、夫の給与などを差押して、回収を図ること)することになります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。