会社の指示で作成したHPコンテンツの著作権は誰のもの?

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最近では、広告のウェブ化が進み、より多くの顧客を獲得するため、ホームページの内容の充実を図ったり、SEO対策などを講じたりするのは必要不可欠になっています。そんな中、会社からブログ記事やホームページのコンテンツを作成するように指示されるようなことも多いかと思います。そういった場合に作成した記事やコンテンツの著作権は誰に帰属するのでしょうか。

そもそも著作物って何?

上記のような記事やコンテンツが著作権法において保護の対象と認められるためには、それが著作物であることが必要です。著作物とは、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいいます(著作権法2条1項1号)。

「創作的に表現したもの」であれば、レベルは関係ありません。例えば、子供の書いた絵でも創作性は認められます。他方、ありふれた表現であったり、もともとある著作物の忠実な模倣であるような場合には、創作性は認められません。
著作物の例としては、次のようなものがあります。

小説、論文、音楽、絵画、映画、プログラム等。

著作権ってなに?登録する必要があるの?

著作者の権利としては、著作者の財産的利益を保護する著作権と,著作者の人格的利益を保護する著作者人格権の二つがあります。
このうち,著作権とは、著作物のコピーをさせない権利(複製権)、内容を翻訳して使わせない権利(翻訳権)、インターネット等で勝手に使わせない権利(公衆送信権)などの個別の権利の総称です。

他方、著作者人格権としては、著作物を勝手に変更されたり、改変されたりさせない権利(同一性保持権)などがあります。
以上のように、著作権には、他人による無許諾での著作物の利用を禁止する効力がありますから、著作権者の許諾を得ないで著作物を利用する者に対しては、民事上、侵害行為の差止めや損害賠償を請求することができます。また、侵害者は、刑事上の責任(罰金や懲役)を負うことがあります。

著作権は、著作物の創作と同時に発生します。したがって、どこかに申請して登録する必要はありません。

会社の命令で職務上作成した著作物は、会社のもの?

著作物を現実に作成した者が著作者となり、その著作者に権利が帰属するのが原則です。これを創作者主義と言います。著作権法でも、著作者とは著作物を創作する者をいうとされ(2条1項2号)、著作者は著作者人格および著作権を享有するものとされています(17条1項)。

そうしますと、最初の例で挙げたような、会社の命令で職務上作成した記事・コンテンツであっても、著作者は会社ではなく、実際に作成した従業員であり、その従業員が著作権者ということになりそうです。

しかし、著作権法では、創作者主義を一部修正していることがあり、その一つして、法人等の発意に基づき、法人等の業務に従事する者が職務上作成するもので、法人名義で公表するものについては、個人ではなく、その法人等が著作者になるとされています(15条1項)。これを職務著作といいます。

したがって、先ほどの例では、記事やコンテンツの著作者は、従業員ではなく、会社ということになり、著作権もその会社が有することになります。
ただし、契約、勤務規則、その他に別段の定めをすることで、職務著作とならないようにすることも可能です。

従業員ではなく、業務委託でゲームキャラクターのイラストを描いた場合は?

外部のイラストレーターにゲームキャラのイラストを発注した、カメラマンに雑誌に掲載する写真撮影を依頼した場合等、メディアの世界ではよくあることです。

この場合、「法人等の業務に従事する者」かどうかが争われます。
原則として、雇用関係があることを意味しますが、雇用関係がないような本ケースのような場合であっても、雇用関係の存否が争われた事案における裁判所の示した基準を参照し、法人等の指揮命令下において労務を提供しているか、支払う金銭が労務提供の対価と評価できるかどうかという点について、業務態様や指揮監督の有無など、具体的な事情を総合的に考慮して、「法人等の業務に従事する者」かどうかを判断すべきであると考えられます。

たとえば、ある法人から業務を受託した者が、その法人の指揮監督下で業務に従事し、その労務提供の対価として金銭を受領していたような場合には、「法人等の業務に従事する者」に該当し得るものと考えられます。
また、派遣社員のような場合でも、法的な雇用関係は派遣元との間にありますが、派遣先の指揮命令下において業務に従事しているため、「法人等の業務に従事する者」に該当すると考えられます。

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