風俗店で火災事故が多い理由

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さいたま市大宮区のソープランド(風俗店)で、2017年12月17日に12人が死傷する火災が起きました。報道によると、店舗は1960年代半ばに建てられた鉄筋コンクリート3階建てで、2階の南階段付近のごみ置き場が火元と見られるようです。北側の階段しか使えなかったため、逃げ遅れにつながった可能性があるとのことでした。

詳しい原因究明は未だなされていませんが、いわゆる店舗型の風俗店は古い建物であることが多く、火災や地震の被害に遭いやすい面があると言われています。

どうして風俗店は古い建物にあることが多い?

理由の1つは、風営法などで事実上、大幅なリフォームや建て替えが困難になっていることです。

ソープランドやヘルスといった店舗型の風俗店は、官公庁施設、学校、図書館、児童福祉施設、その他条例で定める施設の周囲200メートルの区域においては営業できません(風営法28条1項)。この規制があるため、新たに店舗を建設して店舗型風俗店を始めることは、非常に困難です。ただし、この規制は、風営法や条例施行される際すでに届出をして合法に営業を営んでいる営業については適用されない(同条3項)、という例外が認められています。

しかし、店舗を新築・移築・増築したり、店舗内の一部を改築したり、大規模な修繕や模様替えしたりすると、この例外が認められなくなってしまいます。したがって、お店の名前を変えてリニューアルオープンする際も、大幅な設備変更は難しいですし、所轄の公安委員会に変更箇所や理由を届け出なくてはなりません。建て替えとなると、構造や設備が丸ごと変わってしまうので、同一性が損なわれ、法律や条例に反する結果、営業ができなくなってしまいます。

そのため、店舗型の風俗店は、設備が不十分であったり、老朽化が進んでいたりするのです。もっとも、建物が老朽化すれば、消防法や建築基準法など他の法令の規制に抵触し、営業できなくなることも考えられます。

以上のように、店舗型風俗店は、安全のために改築などをすると営業ができなくなるおそれがあり、他方、従前通り古い建物を使用していても、営業ができなくなるおそれがあります。いわば八方ふさがりです。

今回の事件と同様の悲劇を繰り返さないためにも、法改正や運用の変更などの対策も検討する必要がありそうです。

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