免税制度が変わる?

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外国人旅行者から、免税対象品の区別が分かりにくいという意見が多く寄せられたのを受け、商品を家電や衣料品などの「一般物品」と食料品や化粧品や医薬品などの「消耗品」という2つに区分し、それぞれの購入額に基づいて免税する現在の仕組みに加えて、(一定の条件のもとで)一般物品と消耗品の購入額を合算して5000円以上であれば免税対象にするという制度を作ろうとしているという報道がありました。

なぜ、法改正が検討されているの?

以前、「爆買い」という言葉が流行しましたが、2016年1年間の訪日外国人旅行者1人当たりの平均消費額は、2015年の最高額を下回っています。今回の報道では、外国人旅行者が理解しやすい制度を作り、消費額を上げるための施策として、免税対象物品の範囲等に関する法令の改正をしていこうという考えのようです。

また、訪日外国人旅行者の数も増やすため、地方における免税店の数を増やしたり、外国人観光客の招致活動や利便性向上設備の設置を予定しているようです。

そもそも免税されているのは、何税なの?

免税店は、消費税を免除してくれる店です。消費税がかからないのだったら、ここで買い物しようと多くの日本人が集まってきそうですが、免税店で買い物ができるのは、非居住者だけです。

非居住者とは、日本国内に住所または居所を有しない方をいい、主に外国人旅行者を想定しています。つまり、外国国籍なのに免税店を利用できないこともあるわけです。

なぜ、免税店での買い物には、消費税がかからないの?

消費税は、国内において消費される物やサービスに対してかかるものです。したがって、国外に輸出して消費されるものなどについては、消費税を免除するものとされています。そのため、外国人旅行者のような非居住者が日本国内で購入した物で、それが実際に消費されるのが国外になるようなものについても、一定の条件を満たせば、消費税が免除されます。

逆に、日本に住んでいる方が海外旅行をした際に、その国に免税制度があれば、免税店で物を買うと、その国の消費税(に相当する税)の負担をせずに済みます。

なお、消費税を実際に国等に納めるのは、物やサービスを提供する事業者ですが、最終的に消費税を負担するのは一般消費者です。事業者は、物などの代金に消費税を上乗せすることで、消費者に税の負担を転嫁しています。

免税対象物品ってどんな風に決まっているの?

現行の法令上、輸出物品販売場(免税店)で売られている免税対象物品は、通常生活のために用いられるものとされており、それが、家電や衣料品などの「一般物品」と食料品や化粧品や医薬品などの「消耗品」の2つに区分されています。

外国人旅行者が、同じ免税店で、1日に、購入した税抜価額の合計額が、「一般物品」の場合は5000円以上、「消耗品」の場合は5000円以上50万円以下の場合、免税販売の対象となります。

なお、以前は、消耗品は免税の対象外でした。

免税店での購入方法は?

外国人旅行者が免税店で買い物をするとき、少し変わった方法をとります。購入者は、旅券(パスポート)の提示・購入者宣誓書の提出を経て、免税対象物品の引渡しを受けます。

一方、お店側は、購入記録票を作成して、これを旅券に貼付(割印)します。また、提出された購入者宣誓書については、一定期間、保存する義務を負います。

旅券に貼り付けられた購入記録票は、出国の際、税関で回収されます。

法改正の影響で、税関での待ち時間が増えるのでは?

報道では、訪日外国旅行客の消費税免税手続きを電子化する方針のようです。これにより、税関が、免税店で電子データ化された購買情報等を確認できるようになり、手続きが簡素化される見込みです。また、税関検査に顔認証のテクノロジーを取り入れ、マンパワーを出入国管理に分配する、ということも構想されているようです。

 今後の日本経済は、外国人旅行者の動向により、大きく左右されるのかもしれません。外国人旅行者をめぐる法制度を注視して行く必要があると考えられます。

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