残業命令は断れる?断ることができるケースとその条件

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「プライベートを大事にしたいから、残業はお断りしたい」、「子どもが小さいから残業はちょっと…」など、様々な理由から残業は出来ないということがあるかと思います。

そもそも、会社から残業を命じられた場合に、必ず従わないといけないのでしょうか。いくつかの事例に分けてご紹介します。

会社が残業(時間外労働)を命じるためには?

まず、法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えて時間外労働をさせるためには、いわゆる36協定(「サブロクきょうてい」と読み、労基法36条所定の労使協定を指します。)を締結し、これを労働基準監督署に届出をしておく必要があります。

また、36協定は、時間外労働をさせても、労基法違反にならない(免罰的効果)のであって、時間外労働を義務付ける効力を持っているわけではないので、別に、就業規則などで時間外労働を義務付ける必要があります。

例えば、「業務の都合により、所定労働時間を超えて労働を命ずることがある」というような内容です。なお、時間外労働時間の有無は、労働契約の際に、必ず明示しなければならない(絶対的明示事項)となっています(労基法15条1項、労基法施行規則5条1項2号)。

残業命令に応じなければどうなりますか?

就業規則等で、残業命令を義務付ける内容がある場合、残業命令に従わないことは、業務命令違反となります。

一度残業命令を拒否したらと言って、すぐに解雇となることはありませんが、会社からの注意や指導に応じない状況が続き、改善の見込みがないということであれば、懲戒解雇とされてもしょうがないと判断された裁判例もあります。ただし、業務上の必要性がないのに残業を命じられたり、残業をすることができないやむを得ない事情があったりするような場合は、別に考えることができるでしょう。

育児や親の介護でどうしても残業出来ない。それでも解雇になりますか?

法律では、労働者が育児期間中(3歳に満たない子を養育する期間)に請求した場合は、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、事業主は、所定労働時間を超えて、労働者を労働させてはならないとされています(育児介護休業法16条の8)。

また、36協定が結ばれている場合であっても、小学校就学前までの子を養育する労働者が請求したときは、事業主は、1月24時間、1年150時間を超えて労働時間を延長することができません(同法17条)。さらに、育児休業を取得せずに3歳までの子を養育する労働者が、短時間勤務(所定労働時間の短縮)を希望した場合、事業主は、1日の労働時間を原則として6時間としなければなりません(同法23条)。その他、深夜業の制限もあります(同法19条)。もちろん、これらの申し出をしたことを理由に、会社が不利益な取り扱いをすることは禁じられています(同法16条の10、18条の2、20条の2、23条の2)。

他方、介護を理由とする場合は、所定外労働の制限は認められていませんが、要介護状態の対象家族を介護する労働者は、育児と同様、時間外労働時間の制限があります(同法18条)。また、介護休業(最大93日まで)を取得した場合は、その終了後の期間については、短時間勤務制度等の利用も認められています(同法23条)。

このように、以前と比べると、育児や介護を行う労働者に対する支援措置は拡大してきています。

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